がん検診について考えてみた
- 2013/06/16
- 23:04
久しぶりの投稿です。
最近は某執筆作業を主にしているため、意図的にブログの投稿は控えているのですが、数日非常に悩んだことがあったので、書くことにしました。
それはがん検診、です。
わたしは大変ルーズな性格で、半年前の検診で要精密検査という結構大事な項目を見落としており、4月に「検査を受けましたか?」というハガキが届きました。
ハガキの内容は、大腸がん検査(ようは検便)の結果、2日目の潜血反応が陽性だったため、精密検査が必要だということです。
それでもその検便2日目の当日、生理が始まったのでそれが入っただけだろうと思ってスルーしていましたが、それがですね、お腹の調子が悪くなると、急に不安になるんですよね。
「もしや、大腸がん?やっぱり精密検査した方がいい?」
と思い始めるとだんだん心配になってきました。単純極まりない。
会社で聞いた、大腸がんの精密検査を受けた人の話を急に思い出しました。
その話では、大量の下剤を飲んで下痢状態にし、ひとつ部屋で何人もの人が集まり、便が透明になるまでひとつのトイレを取り合い(一応廊下の外にもあるそうですがね)、その後お尻から太い内視鏡検査を受けるとか、下手な人だとけっこう痛いとか。考えただけで身震いがします。当日生理だということも分かっているのだから、内視鏡をやるほどではないだろうと、検診を受けた病院に確認の電話をしました。
返事は、
「要精密、と出たら、内視鏡検査を受けてもらうようになっています」
とのことです。
えーと思いながら、もう一度検便をしたいと話をしましたが、こちらでは再度の検便はやっていないと。他の医療機関を受けるなら消化器内科がいいですよと言われ、仕方なく急きょ近所の内科へいく事にしました。
知らないお医者様にかかるというのも不安なもので、いつも掛かっている内科に行こうか悩んだのですが、結局、消化器内科ではありませんが胃腸科がある病院へ。そこは信用する友人がそこへ通っているため悪いところではなかろうということで選択。ドキドキしながら診察してもらいました。
先生と話をすると、やはり本来なら陽性反応が出た場合、検便をやり直しすることはないとのことですが、私が悲壮な顔(?)をしていたためか、あんた可哀そうだからやってあげようということになりました。
来週しっかりと便を取って行ってきます!汚い話だなあ。
しかし気になることが。
「あれ?なんで大腸がん検査やってるんだろうね。まだ40歳なのに…」
独り言のように先生が言うのです。
「普通はやらないのですか?」
と訊いたのですが、後は言葉を濁すばかり。
気になったので家に帰ってからいろいろ調べてみました。
まずは大腸がん検査。
開いたサイトでは、大腸がんのピークは67歳で、検査開始年齢はは50歳を推奨すると書かれています。
がんナビ
http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/cancernavi/series/plwc/10_23.html
え?あれは余計な検査なのでしょうか?
こうなったらいろいろ調べてやろうとそのままあれこれネットサーフィンです。
海外で活躍している、私が敬愛する天文学者さんのある日のブログで、医療問題を取り扱っていたこと
を思いだし、まずはそのブログを探しました。
ちょっと大腸がんとは話しがずれますが、前立腺がん早期発見のためのPSA検査についての投稿です。
<天文学者的生活>
http://yukogalaxy.blogspot.jp/2013/01/blog-post_16.html
内容はそのPSA検査についての新聞記事の問題でしたが、日本と海外の医療に対する意識の差を知ることができます。
そこから参考サイト等を飛び回っていましたが、読めば読むほど日本の医療の現状と、英語力のなさからくる日本の情報貧乏にがっかりするものでした。
その中で見たいくつかのサイトで、あるがん検診の大規模調査の話題が取り上げられていたので紹介します。
20年前、チェコスロバキアで肺がん検診を定期的にうけるグループと受けないグループと二手に分け、数年後の死亡率を追跡したという大規模調査です。その結果、両グループの死亡率を比較すると、なんと定期的に検診を受けたグループの方が死亡率が高いという結果に(!)
さらには肺がん以外の病気で死亡した人も、検診を受けていたグループの方が明らかに多いという結果が!
その結果に懐疑的な声が多く出ましたが、その後アメリカでの同様の大規模調査でも同じ結果が出、大勢を決しました。
一方、日本ではその10年後厚生労働省が独自に調査を行い、
「毎年、肺がん検診を受けると、肺がんによる死亡率は半分になる」と検診は有効であると報道されました。もっともその調査方法や分母の設定が全く違うので、上記のチェコ、アメリカの調査と同様とはいえない結果なのですが。
日経ビジネスの記事
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/868
ここでは反対意見のサイトばかり載せましたが、がん検診推奨するサイトも見ました。ようは、ふつーのお医者様のご意見ですね。やはりそのサイトを見ると検診受けなければ!と単純に思ってしまう自分もおり、同じ件でこんなに正反対の意見を見ると、興味から面白いと思う反面、情報とは怖ろしいと痛切に感じました。
そして英語の読める方はできれば英語の元の論文を読んでください。わたしはエキサイト翻訳でなんとなく読むレベルですが(ぜんぜん偉そうに言える立場じゃない)本当のことは、やはり最初に語った本人が知っています。
さて、私の受けた大腸がん検査。どうしましょうかね。
いろいろ調べて考えたのは、自分が主体になって考えようと。
今までは一体何をされているのかも分からずになすがまま受けていましたが、自分でこの検査はやめますと判断してもいいのではと思いました。
で、がんになってました、と言われても、自分で決めたのだから文句は言わないと(笑)
今まですべてワンパックになっている協会けんぽの集団検診を受けてましたが、地域の個別の検査に切り替えることを検討しようかと思ってます。
気分が沈んだり上がったりと忙しい数日でしたが、今回の件で、日本の検診の現状を知ることもできましたし、海外での検診の実態も少しですが知る事が出来ました。それだけでも今回は収穫ですね。
長くなりましたが、読んでいただきありがとうございました。
≪参考サイト≫
↓ステキな天文学者のお姉さまのブログです♪
天文学者的生活
http://yukogalaxy.blogspot.jp/2013/01/blog-post_16.html
JBPRESSの記事
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/36957
異端児の独り言
http://blog.livedoor.jp/leeshounann/archives/51864065.html