伊勢神宮外宮の神さま、豊受姫にまつわるお話
- 2013/01/31
- 23:27
豊受姫
今日は伊勢神宮の外宮の神さま、豊受姫にまつわるお話です。
『日本書紀』に保食神(ウケモチノカミ)という神さまがおられます。別名、倉稲魂神(ウカノミカマノカミ)と言いまして、伊勢外宮の豊受姫の別名とも言われています。
この名前のトヨウケヒメの「うけ」、ウケモチノカミの「うけ」、ウカノミタマの「うか」は同源で、食べ物のことをあらわしているんですね。
ということはですよ?
外宮に食べ物の神様、豊受姫が天照大御神(アマテラスオオミカミ)のそばに控えているということは、アマテラスの食事係だったのでしょうか?
いえいえ、このお方、食事係どころか実はとんでもない人物なんです!というお話の第一回目です。
この名前のトヨウケヒメの「うけ」、ウケモチノカミの「うけ」、ウカノミタマの「うか」は同源で、食べ物のことをあらわしているんですね。
ということはですよ?
外宮に食べ物の神様、豊受姫が天照大御神(アマテラスオオミカミ)のそばに控えているということは、アマテラスの食事係だったのでしょうか?
いえいえ、このお方、食事係どころか実はとんでもない人物なんです!というお話の第一回目です。
まずは、豊受姫の別名といわれる、保食神(ウケモチノカミ)のお話。
まだ、そのころは、アマテラスと月夜見尊(ツクヨミノミコト)が天を仲良く二人で治めておりました。
ある日、アマテラスはツクヨミにウケモチの神のところに行くように命じました。
ツクヨミがウケモチのところへ行くと、ウケモチはもてなしてくれるというのですが…。
おもむろに陸を向くと口から米を吐き出し、海を向くと口から魚を吐き出し、山を向くと口から毛皮の動物をを吐き出しました。それらを全部、たくさんの机に並べて、さあどうぞと
ある日、アマテラスはツクヨミにウケモチの神のところに行くように命じました。
ツクヨミがウケモチのところへ行くと、ウケモチはもてなしてくれるというのですが…。
おもむろに陸を向くと口から米を吐き出し、海を向くと口から魚を吐き出し、山を向くと口から毛皮の動物をを吐き出しました。それらを全部、たくさんの机に並べて、さあどうぞと
おもてなしをしたのです。
まあ、普通びっくりしますわ。
そしてツクヨミは「けがらわしい、いやしい!口から吐き出したものを私に食べさせようとするのか」と怒ってウケモチを斬ってしまいます。
それを知ったアマテラスは怒り、ツクヨミと決別したため、現在、天上で太陽と月は、昼と夜とに別れて住んでいらっしゃるのです。
まあ、普通びっくりしますわ。
そしてツクヨミは「けがらわしい、いやしい!口から吐き出したものを私に食べさせようとするのか」と怒ってウケモチを斬ってしまいます。
それを知ったアマテラスは怒り、ツクヨミと決別したため、現在、天上で太陽と月は、昼と夜とに別れて住んでいらっしゃるのです。
そしてその死んだウケモチの頭から牛馬、額から粟、眉から蚕、目から稗、腹から稲、陰部から麦、大豆、小豆が生まれました。
これが種の元になり、現在の私たちはさまざまな食べ物を享受できるのです。
と、いうのが『日本書紀』でのお話です。
これが種の元になり、現在の私たちはさまざまな食べ物を享受できるのです。
と、いうのが『日本書紀』でのお話です。
『古事記』においては、ほぼ同じ説話をスサノオノミコトと大宜津比売(オオゲツヒメ)という神様でで繰り広げられます。
「オオ」は多いの意、ゲツの「け」は食べ物を表しますから、やはり多くの食べ物を司る神なのですね。
登場人物以外話しはほぼ同じですが、『古事記』ではこんな感じです。
アマテラスに仰せつかって、スサノオはウケモチの神のところに遣いに行きます。そしてウケモチの神に饗応してもらうのですが……厨房でみたウケモチの神の姿はとんでもないもの
「オオ」は多いの意、ゲツの「け」は食べ物を表しますから、やはり多くの食べ物を司る神なのですね。
登場人物以外話しはほぼ同じですが、『古事記』ではこんな感じです。
アマテラスに仰せつかって、スサノオはウケモチの神のところに遣いに行きます。そしてウケモチの神に饗応してもらうのですが……厨房でみたウケモチの神の姿はとんでもないもの
でした。こちらの話の方がさらにすごいのですが、なんと鼻から口からおしりから食べ物を出していたのです。なんという荒業でしょう。
これを見たスサノオは侮辱されていると怒り、ウケモチの神を殺してしまいます。
そして死んでしまったオオゲツヒメの頭から蚕が、目から稲が、耳から粟が、鼻から小豆がうまれ、陰部から麦が、尻から大豆が生まれました。
これらがやはり現在の農産物の元になったというお話です。
これを見たスサノオは侮辱されていると怒り、ウケモチの神を殺してしまいます。
そして死んでしまったオオゲツヒメの頭から蚕が、目から稲が、耳から粟が、鼻から小豆がうまれ、陰部から麦が、尻から大豆が生まれました。
これらがやはり現在の農産物の元になったというお話です。
このオオゲツヒメは倉稲魂神(ウカノミタマノカミ)とも同一視され、稲荷神社に祀られていることもありますから、近くにお稲荷さんがある方は、祭神を調べてみてはいかがでしょ
うか?
さて、お話しではとんでもない荒業を繰り広げる食べ物の神様ですが、もっと視点を引いて、ゆるーく解釈しますと、この神さま、困窮していた日本の民に、いろんな方法で食物を提供し救ったことから、こんな故事ができたのではないか?と解釈できます。
みなの驚くような方法で食べ物を提供し、それによって讃えられたため、民からすばらしい神さまとして信仰されたのではないでしょうか。
なにせ、全国レベルのお稲荷さんの祭神に抜擢されるくらいですから、生半可な神さまじゃありません。
しかし、残念ながらこの伝えを見る限り、誰かに殺されたという悲しい事件が裏にあったのだということも解釈できます。
みなの驚くような方法で食べ物を提供し、それによって讃えられたため、民からすばらしい神さまとして信仰されたのではないでしょうか。
なにせ、全国レベルのお稲荷さんの祭神に抜擢されるくらいですから、生半可な神さまじゃありません。
しかし、残念ながらこの伝えを見る限り、誰かに殺されたという悲しい事件が裏にあったのだということも解釈できます。
さらに視点を引いてみます。
この神さまの活躍した時代は弥生時代と思われ、弥生時代といえば、今まで狩猟で生活していた大和民族が、このころから農耕を始めたころと重なります。
この神さまの活躍した時代は弥生時代と思われ、弥生時代といえば、今まで狩猟で生活していた大和民族が、このころから農耕を始めたころと重なります。
急激に広まった農耕技術の謎。食べ物の神様として慕われる伊勢神宮の豊受姫は、一体誰なのか?
豊受姫は単なる食事担当ではなく(食事担当は私の最初の感想ですがね^^)日本にとってかなり大事な人物であったのです!
豊受姫は単なる食事担当ではなく(食事担当は私の最初の感想ですがね^^)日本にとってかなり大事な人物であったのです!
豊受姫の正体についてはまた次回お話しますね。