序文つづき
- 2012/12/23
- 23:46
壬申の乱で勝利を収めた天武天皇は、先進国に負けまいと着々と国造りを進めていきました。 しかし先進国と並ぶための必要事項、歴史書の編纂という課題だけはなかなか進まずにいました。
そこでまだ日本語の記録という作業がまだ存在せず、カセットテープも、もちろんパソコンもないこの時代、どうやって天皇家の系譜、各地の伝承を残したのでしょうか?
なんでも覚えてしまう人を使う!でした。
どんなものでも一度見ただけ、聞いただけで覚えてしまうということで稗田阿礼という舎人(とねり)が大抜擢。そして天皇直々に漢字の読み、発声の仕方を指導されたと書かれています。そして稗田阿礼が暗誦したものを書物に起こしていったのですね。
すごいですねえ。
ここまではだいたい「序文」に書かれていることですが、研究者はそこも勘ぐります。
実際に編纂の指示を送っていたのはその当時の権力者、藤原不比等で、さらには不比等こそが稗田阿礼だという説(『神々の流竄(るざん)』(梅原猛著、集英社文庫))。こちらの本は古代史研究の第一人者、梅原猛氏のものですが、読むと本当にそのようにしか思えなくなるという(笑)
とにかく、日本語を漢字で表現するという難題を乗り越えて『古事記』は書かれていきました。
そこでまだ日本語の記録という作業がまだ存在せず、カセットテープも、もちろんパソコンもないこの時代、どうやって天皇家の系譜、各地の伝承を残したのでしょうか?
なんでも覚えてしまう人を使う!でした。
どんなものでも一度見ただけ、聞いただけで覚えてしまうということで稗田阿礼という舎人(とねり)が大抜擢。そして天皇直々に漢字の読み、発声の仕方を指導されたと書かれています。そして稗田阿礼が暗誦したものを書物に起こしていったのですね。
すごいですねえ。
ここまではだいたい「序文」に書かれていることですが、研究者はそこも勘ぐります。
実際に編纂の指示を送っていたのはその当時の権力者、藤原不比等で、さらには不比等こそが稗田阿礼だという説(『神々の流竄(るざん)』(梅原猛著、集英社文庫))。こちらの本は古代史研究の第一人者、梅原猛氏のものですが、読むと本当にそのようにしか思えなくなるという(笑)
とにかく、日本語を漢字で表現するという難題を乗り越えて『古事記』は書かれていきました。
主な目的は、まだその存在も危うい天皇家の正当性を歴史書によって国の内外ともに宣言するということです。
天皇家が日本を支配し始めていたとはいえ、今のようにその地位を確立していたわけではありませんから、先祖が由緒ただしいことをアピールしなければなりません。
ですから、天皇家の先祖がどの神さまで、こんなすばらしいことをしましたということを第一に書く一方、天皇家にとって不利な神さまの表記は悲しいほど短くなっています。
おいおい綴っていきますが、ヱビスさまとのちに称されるニギハヤヒ、御柱大祭で有名な諏訪神社の祭神タケミナカタなど、『古事記』では数行の表記で終わってしまいます。しかし、系列神社の数だけでもおびただしく、今でも受け継がれている祭りをみても、その神さまの存在が大きかったのは明らかです。
この後は、歴史から消されてしまった神さまの謎を私なりに追いたいと思います。